(某国営方法の番組風にご提供します)
–休日のイオンには、有限の時間をただ無駄に消費している男たちの姿があった。
–妻の買い物は長い。
「総じて女性の買い物は長いものです」と、諦めながら彼らは言葉短く語った。
–なぜ、女性の買い物は長いのでしょうか?
「分かりませんね。男には理解できない世界がそこにはあるのです」
–どんな世界なのでしょうか?
「そもそも男性にとっての買い物とは、目的の物を手に入れるための手段でしかないのです。そして目的のものは事前に比較検討し、すでに目的のものは決まっているものなのです。」
「しかし、女性にとっての買い物とは、買い物をすること、その行動自体が目的であり、手段であるのです。」
「男性は”買い物”=”目的の物を手に入れる”ですが、女性は”買い物”=”楽しいこと”という同じ”買い物”であっても考え方や捉え方が全くもって違うのです」
–そう、女性と男性では買い物に対する姿勢が違うのである。
–旦那たちは、言葉を選ぶように言った。
「”子供服”を買いに来て、まず子供服売り場にいかない意味がわからない」
–女性の買い物のときの動きはトリッキーである。女性自身も分かっていないのである。
「登山家が”山を登る理由は、そこに山があるから”というのと同じで、”そこに商品があるから、見ないといけないのだ”ということである。
一般人には登山家の山を登りたいという御しきれない気持ちを理解できないように、男性には女性の買い物をする場所で、商品をなんでも見て廻るという御しきれない気持ちを理解できないのだ。
–そして女性の買い物には、時間という概念はない。
「もう少し、買い物の時間を短く出来ないのかなって思うこともあります。でも、人って夢中になると時間を忘れて行動してしまいますよね」
–女性にとっての、買い物とはそれ程夢中になるもののようだ。それが例えたかが日用品だろうと、新製品はチャックしないといけないし、いつも使っているものでもどこで作られているものなのか毎回チェックは欠かせないのだ。
–また妥協というものは存在しないのである。
「”これ買ってもいいかなー”と思っていそうなものはあるんです。色々言い訳や妥協の言葉を自分の中で唱えているみたいなんですよね。ですが、絶対に妥協はできないらしいです。」
「男であれば、妥協できないならすぐに別の製品なり、別の店なりに向かうものですが、女性は決断というものを即することは苦手なようです。即決というクリアパスは女性には存在していないのです」
–即決のクリアパスが女性には無いと。。。
「そうですね。女性には商品を買うために収集する情報が多すぎます。ブランド、成分、評判、友達が使っているか、色、効用、価格、他の店だと特典があるのか、だったりと上げれば際限がないくらい情報を集めます。そして集めた結果、よく分からなくなるわけです」
–そんな長い買い物に付き合う理由はなんですか。
「旦那として、なぜ家族みんなで買い物をしないといけないのか、目的のものをすぐに買って、家に帰って自分の好きなことをしたいとそう考えています。ですが、女性はやたらと共感を得たい習性をもった生き物なのです。」
–女性は共感を得たいと
「そうです。哲学者のアリストテレスが”人間は社会的動物だ”と定義しましたが、私は”女性は共感の動物である”と定義します」
「女性は何でもかんでも、皆ですることを求めます。自分の意見は皆から共感され同意を受けたものである。皆で話をしながら同じ歩みで、同じ視点で、同じ考えであることを求めているのです」
–女性の考え方を変えることはできるのですか
彼らは首を振りながら、深いため息を付きこういった。
「無理なんです。女性が買い物が長いのは、日本だけでは無いのです。世界各国、万国共通なのです。産まれもった才能なんです。サッカーのファンタジスタを誰も止められないように、女性の買い物の長さは誰も止められないのです」
–それでは、あなたにとって女性の買い物との付き合い方とは
「難しい質問ですね。ですが世の中の男女の関係の真髄に触れる質問ですね。」
「一言、耐えるですかね。。。女性は共感を求め、感情で生きる制御不能な生き物です。ですが、世の中は男性も女性もいないと回っていきません。」
「幸せな家族の世界っていうのは、やはり家族みんなが笑顔で生きていけるということだと思います。女性の機嫌の悪さは家庭から笑顔を消失させます。」
「旦那が頑張りすぎる必要もないけど、家庭をコントロールするのは旦那の仕事かなって」
彼らは少し誇らしげに、すごく温かい表情を浮かべてレジで支払いを済ませてレジ袋を持ち、子供の手を引き、妻の笑顔を保ちながら家路についたのである。
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