「まずは様々なことに全力で取り組んで、もしカベに当たったとしても経験だと前向きにとらえる。」by佐野恵太
佐野恵太は横浜DeNAベイスターズの2020年のキャプテンにして新4番。
長年弱かった暗黒ベイスターズをAクラス常連チームへと変貌させた中心人物である偉大なる筒香嘉智の後継者である。
正直、ベイスターズファン以外からは「こいつ誰よ?」である。
ベイスターズファンでも、佐野恵太をキャプテンと4番に抜擢したのは少々不思議な感じがした。
全く理解出来ない選択肢ではなかったが、ファンが思う1番の候補では無かったのでは無いだろうか。
そんな降って湧いたチャンスを佐野恵太はしっかりとゲットし着実に自分のものにしている。
そもそも佐野恵太という選手はドラフト9位入団。
お世辞にも大きな期待はされておらず、スター性、スケールの大きさが目立つ訳ではない。
プロ選手の中で技術やセンスがずば抜けているかと言うとそんなことは無い。
ドラフト下位指名とは、光るものが少しあって当たったら良いなでしかない。
だが佐野恵太はそんな評価を覆していく。
試合をこなすごとにチャンスにめちゃくちゃ強い打者であることを自ら証明していったのである。
そのチャンスの強さを強烈に見せつけたのはプロ3年目となる2019年。
開幕戦から代打で、しかも試合の決定的ポイントで4試合連続代打安打を記録する。
試合後半、試合を決めるところで佐野恵太が出てくると何かあると皆が期待する選手になっていた。
自分の特性を活かし代打の切り札として十二分に活躍した。
そして迎えた2020年シーズン。
4番に定着し3割以上の打率で首位打者争い、チームトップの高打点をマーク。
チャンスに強い男は、人生のチャンスにも強いことを証明し続けている。
ここまで見事に人生のチャンスを掴んでいる要因は何なのだろうか。
それは物事に全力で取り組む「ガムシャラさ」なのではないだろうか。
とても泥臭く、まったくスマートでは無いかもしれない。
だがチャンスを逃さず掴み取り離さないのは、そんな格好を気にしないガムシャラなひたむきさなのだろう。
何度も壁にぶつかっては、またぶつかりに行動し、自分で考え、またぶつかり壁を乗り越え、壁を壊しで経験を積み重ねてきたのであろう。
2017年のクライマックスシリーズ、土砂降りの中の阪神戦。
打席で尻もちをつき泥まみれになりながら執念のヒットを放った前任の筒香嘉智のように、佐野恵太は野球人生の毎日のなかで泥まみれになっているのかもしれない。
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